にく

首のにくのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.8
北野武『首』(23)。ラストの「落ち」に向うこれは壮大な漫才で、「首」を巡る運動もひたすらそこを目指している。武は大島渚(『絞死刑』、『戦場〜』、『御法度』)の様には首に拘っていない。「首なんかどうだっていいんだ!」。男色も刀と首による力学(ファルスとその去勢)を導く為の仕掛けと見える。
 男だけの「軍団」を作って(女を排除し)チャンバラとか首サッカーに興じる。野球でも拳銃ごっこでも何でもいい。それが映画的運動を齎しもするし。ホモソーシャルとホモセクシュアルの間。その点ルネ・クレマンとも似ているか。R・スコット『ナポレオン』はジョゼフィーヌを出してるだけ(まだ)ましか。
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