“春されば卯の花腐し我が越えし 妹が垣間は荒れにけるかも”
»活気を失いつつあるピンク映画界を舞台に、心中してしまった女優と、その彼女の関係者だった2人の男の人間模様を描く。
これは映画館鑑賞を迷った作品だったんですが…うん、余韻の残し方はかなり好きで、荒井晴彦監督は流石でしたね。
で、くすぶってる様な野郎がひょんなことから出会って、忘れられない彼女をそれぞれにエロスをまぶして振り返るだけの話なので、なかなか面白いやり取りではありつつも、冗長に感じたのも確か。
でも、現在のパートをモノクロにして過去をカラーにし、終盤であるオチがあるあたりもニヤリで、タイトルも効いてますよね…花を腐らせたような雨みたいな二人でもあるのか。
そう、そんなラストが巧みで、ある言葉に呼応していたし…エンドロールでの さとうほなみによる♪さよならの向こう側 はちょっと沁みちまって。
にしても、♪君は天然色を使ったり、『パイレーツ・オブ・カリビアン』等を絡めたりとニヤリ…そして、ピンク映画への想いがいろいろと重なる隠し味にニンマリ。
なお、俳優陣では綾野剛と柄本佑…それぞれにしっとりと、いいコンビネーションを披露。
さとうほなみ…麗しくて、お疲れ様でした。
さらには、吉岡睦雄に、川瀬陽太にマキタスポーツに、⼭崎ハコ奥⽥瑛⼆らが味のある良きサポート。