にく

私がやりましたのにくのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
4.3
F・オゾン『私がやりました』(23)。原作は30年代の戯曲。女弁護士-被告(女優)の私生活上のコンビが裁判でもそれぞれ脚本/演出家-女優の立場を演じることとなる。とそこへサイレント期の女優(I・ユペール)が私も混ぜろとやって来て…。女3人の丁々発止と見せかけて、その実、父権制社会を批判する快作。
 演劇/映画(無声-有声)/裁判という近しい3媒体の入れ子を作り、その間を卒なく行き来して上質の喜劇を醸成する知性、室内の緊張感溢るる会話劇と場所間の移動(アクション)を効率的に撮ってみせる映画作家としての手腕。文句なし!のはずが、ユペールの過剰な衣装・演技に象徴されるやり過ぎ感は拭えず。
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