ゆめちん

私がやりましたのゆめちんのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
4.0
私がやりました
 
著名な映画プロデューサーが自宅で殺害され、新人女優・マドレーヌが容疑者として連行される。彼女はプロデューサーに襲われて自分の身を守るために殺害したと自供し、親友の新米弁護士・ポーリーヌと共に法廷に立つ。
 
1930年代のフランスを舞台にしたポップでユーモアに溢れた犯罪コメディ。フランソワ・オゾン監督がテイストやジャンルを横断しつつも、しっかりと自分の世界観を構築し、楽しみながら作っているのが伝わってくる。

この時代の街並みや衣装、メイクや音楽などが忠実に再現され、それらを観るだけでも十分に満足。冒頭から台詞の応酬で少し面食らうも、そのペースに慣れると、登場人物たちの大袈裟な演技が作品の魅力に変わり、心地よいテンポと相まってあっという間にエンディングを迎える。

この物語のベースには、社会全体に衝撃を与えた、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる "性暴力問題" があるのは明らか。
女性を軽んじる男社会への風刺が痛烈で、思い上がった男たちをギャフンと言わせるヒロインたちの奇策に胸がすっきり。オデット役のイザベル・ユペールが登場すると、雰囲気が変わり一気に引き締まるのが印象に残る。
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