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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語のmiumiuのレビュー・感想・評価

4.3
Netflixオリジナル。
ウェス・アンダーソン監督作品、ロアルド・ダール原作。
オスカーの短編実写作品賞にノミネートされているので、授賞式の前に観ておこうと鑑賞。

ウェス・アンダーソンの長編作品の公開が行きつけの映画館ではなかなかないこともあり、ひさしぶりに作品を観た。
短編だからサクッと観られるけれど、独特なのはよーく分かっているから観るのに心の準備が要るんだよね。

いざ観てみると、相変わらずの映像美と個性。
真正面を向いて話す一見平面的な演出やカラフルな画面は相変わらず。
加えて、平板に見えつつ奥行きのあるセットが入れ替わる様子は飛び出す絵本のようでもあり、演劇のようにも見える。
役者がセリフだけではなく、ナレーション的な内容(小説で言うところの地の文、演劇で言うところのト書き)まで話す脚本や、早口なのに観ていて引き込まれる演技・演出も個性的で面白かった!


スコアのほとんどは芸術点+ベネディクト・カンバーバッチの演技に対して。
(他の主な出演者は既にウェス・アンダーソン作品に出演経験がありストーリーテラーの作家役を務めるレイス・ファインズや、ベン・キングズレー、デヴ・パテルなど)
ストーリーは、ギャンブルでイカサマをするために修行を積んで透視能力を身につけようとした金持ち、ヘンリー・シュガーの行く末を描くもの。
ユーモラスな語り口と皮肉な展開はウェス・アンダーソンっぽさとロアルド・ダールっぽさ、両方を感じた。
ロアルド・ダール原作作品の中では、皮肉はあるものの残酷さすら感じるブラックさはさほど感じられないので、見やすくてオススメ。その点でもスコアUPかな。
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