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リゾートバイトのドントのレビュー・感想・評価

リゾートバイト(2023年製作の映画)
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 2023年。大盛りだね! 特盛だねこれは!! 離島にある小さな旅館で短期のバイトをすることになった女子2人と男子1人のグループ。夏の思い出となるはずのここには恐ろしいモノが潜んでいた。深夜2時に運ばれるお膳、封じられた2階、引き出しのついた鏡台の中身、外から聞こえる声、そして……!
 永江監督による「2ちゃんねる洒落怖」映像化プロジェクト第3弾は表題通り「リゾートバイト」が原案。原案は一応読んだはずだがほぼ記憶にナシ。プロジェクト前作『きさらぎ駅』(脚本も続投)を快作に仕上げたメソッドを一部引き継ぎつつ、さらなる薬品追加&悪魔合体を施した意欲作である。男子学生が男女グループに変更されているのには一応、意味がある。
 プロジェクト最終作らしい、「やるわよ! やるわよーッ!」というガッツに満ち溢れており、家ホラー/怪儀式/追われる恐怖/佇む霊などなどゴンゴンと横断していく。「などなど」の部分にやるわよーッ!と色んなモノが、それはもう色んなモノが詰め込んでネジりこまれているのでそこは観てご確認いただきたい。85分でこの欲張りっぷりはいっそ快い。
 ただアレだね! 「やるわよーッ!」魂が行きすぎてごった煮が過ぎて、何を喰わされているのかわからなくなる瞬間が幾度もあったね! 「おれはいま なにを みせられているんだろう」みたいな当惑がちょっとありました。その場の勢い任せだったり、はしゃぎすぎてる部分もあった。こういうのは全員マジな顔で丁寧にやらねばならないのだ。
 とまれ、こういうガッツ、サービス精神に満ちた作品というのが作られるってぇのはよいことだと思うのである。旅館のバイトで宴会などもあるはずの設定なのに客がろくに姿を見せないなど予算のアレを感じさせるが、その分を後半に持ってきたのであろう。そんな縛りの中でも怖くておもろいモノをやろうとしている。
 説明過多や台詞回しなどはかなり改善されているし(ちょっとあやしい箇所もあったけど……)、色んなものが無法に絡み合うのに序盤とシメはちゃんと怖いのも心憎い。そして長さは86分・本編82分くらいか。短い。短いのはいいですね。永江監督、次はオリジナルホラーを待ってます!
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