健一

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩の健一のレビュー・感想・評価

4.0
レビュー最後に わたくしの『2023年度上半期 映画館で観た作品 Best 10』を載せています。
お暇な方は のぞいてみてください。😅


ウクライナ🇺🇦の作品です。

恐らく戦争 侵攻前に製作 撮影された作品だと思われます。
今、観なくては・・・ と思ったが。
作品のキーパーソン、またこのタイトルからして出来れば去年の年末に公開してほしかった。
とは言え。本国ウクライナ🇺🇦でも公開されたのは今年の1月だったらしく クリスマスシーズンの公開はどうしても無理だったのかな? 🎄

第2次大戦下。
領土を奪われ翻弄されるウクライナ🇺🇦 ポーランド🇵🇱 ユダヤ人の3家族が平和な暮らしと子供達を守り抜こうと奮闘するそれぞれの『家族』の物語。
絶望の中 唯一の希望は家族の絆を奏でる詩だった・・・

製作陣、キャストの方々もまさか本作の完成後に劇中のような悲惨な出来事が現実に起こるとは誰も想像しなかったであろう・・・
先代の人々の苦悩を本作でアピールすることで今のウクライナ🇺🇦をどうにかしてあげようと本作を鑑賞した方々が『思い、考える』ことが何より重要。
これこそが 映画の力 だと思い、同時に

信じている・・・


「アンネの日記」ほど強烈では無いのですが やはり本作も身体が震えるほど衝撃の出来事の連続。
小さな女の子たちが戦争の巻き添えになり幸せな日々が徐々に奪われていく様は観ていてとても ツラい。
戦争、侵攻、虐殺、死・・・
まだそんなこと。学ばなくてもいいのに。
時代がそれを許さない。
少女たちは無意識に強くなり、大人になっていく。
いや、 なるしかなかった。

戦時中の子供時代の出来事と1978年の少女達が大人になった時代を劇中で見事に絡み合わせ号泣もののラストをちゃんと用意しているのは ベタとは言え見事な展開。
ウクライナ🇺🇦映画界の制作事情はよく知らないが恐らくそんなに莫大な製作費も無いだろう。
しかし、当時を再現した街並み、3家族が暮らす暖かかった家、街を支配していく兵士たち。
とても繊細に再現されていてウクライナ映画が十分に世界に通用することを本作は見事に証明している。

両親は連れ去られる。
職は激減し収入も底をつく。
食べるものの ままならない。
逃げ隠れる日々 精神的にも限界。
そしてついに。
『その日』はやって来てしまう・・・

戦争の悲劇を家族の視点で描いた見事な力作。

誰でもどこかで 耳にしたことがあるのでは。
ウクライナの民謡から生まれたクリスマスソングとして今では有名な本作のタイトルにもなっている「キャロル・オブ・ザ・ベル」。

天使のような歌声が『平和への願い』として遠い過去から現代のウクライナの人々に向けて・・・
また。
我々に向けて 透き通るように奏でられていて心に刺さる。

是非とも多くの方に見てほしい。そしてこの歌声を深く胸に刻んでほしい・・・



2023年 7月10日 12:30〜
池袋シネマ・ロサ theater 1
💺193席
客入り 30人弱。

1日1回のみの上映? うそでしょ。😡


おまたせしました。
わたくしの2023年度 上半期の映画館で観た作品のランキングです。

① イニシェリン島の精霊
② エンパイア・オブ・ライト
③ TAR/ター
④ 怪物
⑤ To Leslie /トゥ・レスリー
⑥ aftersun / アフターサン
⑦ エブリシングエブリウェアオールアットワンス
⑧ 別れる決心
⑨ 生きる LIVING
⑩ オットーという男

こんな感じでした。😅

① は『些細な一言が全てを崩壊させる恐怖』を描いた良作。そして脚本が素晴らしい。このヘンテコな脚本を見事に映像化した奇跡の作品。
⑤⑥は初監督作品でこの力量‼️とにかく圧倒されました。
健一

健一