葵

ジュリア(s)の葵のレビュー・感想・評価

ジュリア(s)(2022年製作の映画)
4.4
小さな忘れ物を一つして取りに戻るとか、いつも歩いている道を今日は変えたとか、ほんとに小さな違いが、本当に小さな選択が、最初は1ミリの差でも、数年も数十年も経てばそれが1メートル、1キロ、どんどん大きな差になって、全く違う人生になる。そんな映画。

4通りの人生の、いいところだけをかいつまんで、幸せだけの人生にしたいけど、でもそれじゃ人生に深みは出ないんだろうな

ベルリンの壁の前で響き渡るピアノの音色、とても美しかった
レミゼをきっかけにフランス革命について深く掘り下げて知りたいと思って色々調べたけど、この映画をきっかけにベルリンの壁崩壊やヨーロッパの歴史についてももっと知りたいなと思った

20歳のベルリンでのジュリアのビジュアルかわいい
恋人は?当てるわってお母さんとの会話友達みたいでかわいい
あの日の夜抜け出してなかったら、お母さんとあんなに近い関係性だったのかな
自分と照らし合わせて色々考えちゃう
良くも悪くも、人間って別人になれちゃうんだなぁ… なんて思ったけど、良くも悪くも、だなんて本当はないのかも。自分が、
人生が選んだ選択肢に、良いも悪いもない気がする。成功も失敗もない気がする。それが人生、全部受け入れて不要なものは手放すだけ🍃最後に残ったものが幸せなのかな。パンドラの箱みたい。

図書館でのやりとり好き🇲🇽一通り会話をしてから、そういえばって感じで名前を伝え合うの、海外って感じでいいよね
ほんの一瞬で、隣り合うか前後で並ぶかで、誰かとの出会いってないものだったりするから、それがすごく分かるいい描き方
何も考えずに見るのが楽しかった

"華美な服は服が目立ち、いい服は着る者を引き立てる"

楽屋に一瞬だけ来て笑わせて緊張を和ませてくれて、ジュテーム!って言って去って行くの粋で好き

ウェディングパーティー?のいちごが詰まったピアノのケーキ可愛すぎる🥺🍓🎹

お母さんからの「自分を罰するのはやめて、まるで彼女の奴隷だわ」の言葉が、心にずんときた。誰かのためにやっているとか、誰かが喜ぶからやっているとか、解釈や捉え方は色々あるけど、本当は誰も期待していないのに人からプレッシャーがあると思い込んで、自分で自分の首を絞めてるだけの時もある。

「感情に流されるな コントロールしろ」
けど感情をコントロールしていたら、芸術って生まれない気がするなと私は思う

バイクに乗ってるシーン、絶対何か起こるのがわかって、やだやだと思いながら片目をつぶって見ちゃった
命とも言える手を怪我して、妊娠もだめになってしまって、人生そのものを潰されたように感じただろうと、病室のシーンは苦しくて苦しくて喉の奥がぐっとなった
飲酒運転はだめ、絶対。絶対に。

キャリア、妊娠、出産、女性って本当に天秤にかけざるをえないことが多いよね。
私はまだ結婚して1年しか経っていなくて、夫婦として家族としての一生はまだまだ長い。長生きすればの話だけれどね。
きっとまだまだ沢山の選択をする。でも選択ができる人って案外少ないのかも。
選択肢がない人もいるんだから、いくつも道を選べること自体が、もう幸せなんだろうな。普段の生活の中では気がつけない。

夫と親友は何よりも辛いよ😭 辛すぎる。

自分の人生が変わっても、人の人生は変わらないから、親の病気は変わらずあるんだなぁ。人は変えられない、変わるなら自分っていう言葉があるけど、まさにそうなんだなとはっと気づいた。
自分がどう生きるかで相手に何かしらの影響を与えるのは間違いないけど、自分がどう生きたとしても人の人生は変わらない。

ストーリーは全然難しくなくて、そのままスムーズに受け入れられるけど、なんだか考えさせられまくる映画だーーー!

裸足になって遠くの母へ捧げる演奏、なんて素敵な贈り物なんだろう
すぐ会える距離にいなくても、音に乗せて想いを伝えられて、お母さんはどんなに嬉しかっただろう
客席からジュリアへの賞賛の拍手が、お母さんへの、お母さんの人生への賛歌の拍手に聴こえた。

生まれたばかりのクレールを抱いて、「今あなたに会えてとてもうれしい」と言うジュリアに涙が出た
「ここにいる全員に光を与えてくれた」
そんなことを言ってもらえる人生は間違いなく豊かで、歩んできた道に何一つ無駄はなかった
最後の合唱に涙ぼろぼろ
どんな道を歩んでも、その道の先に光を見出せばいい
幼い頃にした喧嘩、数年前に出会った恋人、昨日つまずいて転んだこと、今この映画を見ていること、人生に無駄なことなんてきっと何もないんだ
葵