hirobey

ぼくたちの哲学教室のhirobeyのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
4.8
この作品を観ることができて良かった。
ドキュメンタリーなので、純粋に映画はフィクション作品の方が好きという方には向かないかもしれない。かく言う私も、少し前まではそうだった。特に劇場でドキュメンタリーを観るなんて勿体無いと思っていた。ただ、最近は、ドキュメンタリーならではの感動を味わうことが増えた。先日観た中村哲先生のアフガンの作品、モリコーネやビージーズなどなど。そして、本作も予告の時点で観たい!と思わせてくれた。

また、皆、小学生だった経験を持つ身としてのある種の憧れも感じるのではないだろうか。こんな先生に出会っていたら。寄り添ってもらえていたら。子を持つ親としても同じ。そんな作品だった。

北アイルランドのベルファストにある男子小学校ホーリークロス。ここでの主要科目は哲学。子供達は違う考えにも価値があることや、不安や怒りの感情のコントロールなどを学ぶ。特に、北アイルランドという内線のある土地柄から、宗教や政治的な争いが身近にある。"平和の壁"という分断の象徴も存在するベルファストだからこその学びもある。

それにしても魅力的な校長先生。プレスリーをこよなく愛するケヴィン校長の愛車はトヨタだった!

小学生でもしっかりと自分の意見を言う。授業ばかりでなく、子供同士の喧嘩でも、謝って終わりではない。先生はちゃんと向き合って、その心の機微に寄り添い、何を思い何をすべきかと諭す。親に対しても、同じ姿勢で諭すように伝える。校長や教師たちのその粘り強い姿勢に感動する。

思索の壁というホワイトボード!

何度も観たい映像だ。

ps:パンフレットが売り切れだった。残念。
hirobey

hirobey