Nove

ミッシングのNoveのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.9
最愛の娘が行方不明となる。
駅でのビラ配り、地元TVの取材も積極的に受け、情報提供を訴え続ける。
初めは同情的な世間の反応も、いつしか誹謗中傷へと変わり、内容はさらにエスカレートする。
当事者以外は、他人事でしかない。
報道番組のあり方、捜査が進まない警察、家族との関係もギクシャクする。
それでも、僅かな希望を持ち続け、探し続ける母親と父親。
がむしゃらに出来ることは何でもする母親と、感情を抑えて、冷静で居ようとする父親。
母親としては、当然の行動であり感情である。
子どもを探す母親を描いた映画は、いくつもあるが、どれも高い評価のものが多い。
生命の原点であり、普遍的なテーマである。
何も悪いことはしていない。
必死で子育てをしてきた。
少しだけ休んだことがいけないのか。
子どもが居ることが日常であり、普通だと思っていた。
でもそれが、何物にもかえがたい幸せであることを思い知らされた時に、親として何ができるのであろうか。
一度壊れた普通の日常を、どうしたら取り戻すことができるのか。
本当に分かってくれる人は少ないかもしれない。
当事者になった時に、初めて気づく。
それは僅かに差し込む光のようだが、共感してくれる人はきっといる。
伏線として、今の日本社会にうまく対応できない人たちの苦悩もある。
この人たちは、ただ耐えるしかないのか。
出来ることは続ける、辞めないことなのだろう。
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