りり

ミッシングのりりのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から心を抉られるような辛さ、まるでドキュメンタリーだった。愛する我が子を突然失った夫婦、温度差は確かにあったけれど、疲弊しきってクレイジーな行動にでがちな妻を宥めつつ、自分の怒りや哀しみを閉じ込めている一見冷静な夫。思わず貰い泣きしてしまったのは、夫の目に滲んだ涙だった。石原さとみと青木崇高の演技を超えた憑依が凄まじい。いや、演技なんですが、ト書きにない表現が詰まっていたんだと思う。弟圭吾役の森優作も名演。
事件の2年後に失踪したさくらちゃんが見つかって、心から良かったと喜んだ母沙織里の笑顔にも心打たれた。母という立場の女性の多くは、このシーン同じ思いだったと想像する。
顔の見えない悪人には、法の裁きが必要。夫婦が訴訟を起こし、揃って動き出すラスト。光のプリズムのような展開に救われました。

そして上映後の舞台挨拶にて
石原さとみさんのSNSに対する思いをお聞きし、そういう捉え方距離感なら無駄に心が削られることは無いなと思いました。
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