ホン・サンス監督による、全篇アウトフォーカス(ピンボケ)させてみた実験的な作品。
恋人キム・ミニはプロデューサーとして関わったようです。
俳優だった若い男ソンモが短編映画を撮るため、同じ学校に通っていた友人男女を連れ済州(チェジュ)島にやってきた。
一人は演者のキュートな女性ナムヒ、もう一人はカメラマンの男性で、かつて撮影監督だったのかな?今は映画会社で働くサラリーマンのようだ。
1週間ほど滞在する予定だが、どんな作品にするか決めていないソンモは二人を連れて島をロケハン的に歩いたり、宿に戻って3人で焼酎&食事したり。
岩場で自発的にゴミ拾いをしている女性を見つけ会話したことをきっかけに、そのことを題材に撮ることにする。
前半3人が部屋でピザを食べているシーンはほとんどボケを感じないものの、それ以外は、"水の中(In Water)"感覚というより、メガネ/コンタクトを外して観ているような、絵画を観ているようなシーンもある不思議な60分間。
高画質に慣れきった目に新鮮な視聴体験でした。
※海外サイトでは原題『물안에서』読みの『Mul-an-e-seo』と表記しているところもあって興味深い。