Taul

ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケンのTaulのレビュー・感想・評価

2.0
名作と言える『私ときどきレッサーパンダ』が世の中に先に出ていたので、どうしても二番煎じ感が否めない。母娘の関係性では心が動く場面もあるが、家系を背負った異形への変身、母親との対立、思春期の葛藤など、いろいろ似すぎで、新鮮味に欠けている。実際のところ、面白さも劣る。スピード感はあるが抑揚に欠け、とにかく「うまくまとめよう」という作り手の妥協が分かるし、感情の変化が薄っぺらい。

アニメーションも手堅くまとめているが、ダイナミックさに欠け、動きの面白さが欲しいこういう作品にとっては、致命的であるとも言える。ただ着色料を使った鮮やかさや、キャラクターのカラフルさは印象的だった。なお、CGアニメはそもそも好きでもないし、最近は精密過ぎて、何か個性がなければ、アニメーション的な良さ、温かさといったものに反するものになっていると感じている。

ディズニーを茶化すかのような『リトル・マーメイド』のアリエルをイケイケにしたみたいな、友だちのチェルシーのキャラクターが、胡散臭い可愛さがあって良かった。
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