静かな邦画が無性に観たくなること、ありません?これは、そんな気持ちにぴったりな、和の伝統と、地方での素朴だけど味わいのある生活を描いた作品です😌
開明獣、浅学寡聞にして、津軽塗りというのを知りませんでした。漆器には疎いのですが、良い電器六弦琴🎸の塗装には漆が使われます。経年変化によって楽器の鳴りが良い方向に変化していき、塗装自体による美しさも味わえるのです☺️
椀、杯、箸、盆、曲げわっぱ、膳、それこそ木が使われているものならば、原理的には何にでも塗れて、美しさを醸し出すことが出来るようです😮
塗りの職人が、馬鹿丁寧に塗りに塗りを重ねることから、"バカ塗り"と呼ばれるんだそう。手間と工数がかかるから、お値段もそれなりにします。後継者も成り手がなく、残念ながら消えゆかんとする日本の伝統工芸品の一つかもしれません😔
本作は、そんな津軽塗り職人の家族のお話し。人と接するのはあまり得意でない、不器用で無口な父と娘。漆を塗ることに対するこだわりと、家族への想い。大きな出来事は特段ないけれども、津軽の四季の変化と、漆器職人の仕事ぶりに心奪われました😌
やりつづけること、やりつづけること、やりつづけること。それは、職人の世界だけでなく、人生における普遍的な真理の一面でもあることを教えて貰った気がします😊
堀田真由という役者さんを良く知らなかったのですが、本作では素晴らしかったです。他の方たちも好演で、劇をぐっと引き締めてくれます。
帰りに百貨店に寄って、塗りの杯と箸を求めました。津軽の地酒も購入して、レビューを書きながら余韻に浸っています。これもまた、映画鑑賞の醍醐味の一つなり😌