とてつもない映画だ。
教育を軸に、子どもたちの心の機微と当時の生活から戦争を浮かび上がらせる。それにとどまらず、子どもたちの内面をそれぞれの独創性で表現したパートにアニメーションを見る喜びまで用意してくれている。これ以上ない出来のアニメ化だと断言する。
電車教室でのトットのめくるめく空想パートに度肝を抜かれたかと思えば、プールのヨシアキちゃんパートでは水中表現に心打たれる。その2人による雨パートの美しくも悲しい虹色の街灯に目からも雨が…。
白眉はクライマックスの疾走シーン。死が隣にある現実に抗うように逆走していく。その中であらゆる「戦争」が通り過ぎていくのだ。そして「大事なものなんだろう？」と。
最初から最後まで泣きとおしてしまった。物語も、アニメも、演技も120点の素晴らしい作品。満点。
