デッカード

ドミノのデッカードのレビュー・感想・評価

ドミノ(2023年製作の映画)
3.5
娘が失踪した刑事ロークは、彼の前に現れた謎の男デルレーンを追う。

「ヒプノティック」という催眠術をさらに進化させた特殊能力を軸にストーリーは展開していくのだが、現実と非現実が入り乱れる物語は次第に複雑になり、観客は自分が見ている何が真実なのかだんだんわからなくなっていく、こんがらがった感覚がかえっておもしろい。

途中『インセプション』によく似た場面が現れるが、これは本作の内容も含めオマージュということかな?

バラバラに思えたすべての謎が少しずつ解け集束し、大切な真実に行き着く展開は最後まで飽きさせない。
1時間34分と上映時間は短いが、そこにスピーディーだがかなりな情報量が詰め込まれていて、長い映画が増える中逆にいい意味で目立っている感じ。

二転三転する状況に翻弄される主人公をベン・アフレックが、最近にしては珍しくクセのないキャラクターとして演じている。
アフレックのバットマンがまた見たくなった。

熱烈なファンがいる手堅い裏方ウィリアム・フィクナーが、デルレーン役で全編を牽引しているのも印象的。

すべての真実がわかるラストには驚きだが、本編が終わってからも"その後"を想像させるカットがあるのでエンドクレジットも最後まで観てください。
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