つぐみ

12日の殺人のつぐみのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
4.0
「落下の解剖学」や「別れる決心」系、「犯人探し目的じゃない系サスペンス大体良いがち」ジンクスまた更新されました!!
「悪なき殺人」がとても良かったので絶対見るぞと構えてたんだけど、「悪なき殺人」ってどんな話だったかなとwikipedia読んでたら「そんな話だったっけ…」って何も覚えてなくて驚愕だよ!!多分その年のベストに入れたのになんでこんなに覚えてないかね😂蜘蛛は聖者になんとかみたいなイランのやつも全然思い出せないからマジで自分の短期記憶があてにならない。

捜査班に男しかいないの、今時〜??と訝しんでたらその非対称性をまんまと突く話でしたわ。クララをファムファタルにすることもできただろうに、そこを逆手にとって性に奔放な女性への冷笑的な視点、容疑をかけられた男性への半ば同情的な視点、どれも見過ごさずに掬い取って突きつける鋭さこそフランスのリベラル(とバイアス)な気がした。でも絶対邦画でも同じような作品撮れると思うんだよな、最近だと「市子」は割と近くなかったですか、アプローチと結論は違かったけど。

劇伴もセンスがいいし、オシャレな服とか美味しそうな食べ物とかうっとりする街並みも出てこないんだけど、卓越した美的センスと洗練を感じる作品だった。是枝さんが昨日だか政府に提言書出してたけど、フランスにおける文化としての映画の底力ってやっぱすごい。
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