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12日の殺人の緑茶のレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.8
女子大生殺人事件を捜査する刑事の話。

冒頭のテロップにある通り、実在する未解決事件がベースということで、本作も最後まで真犯人の行方は判らず。
殺人事件ものって「犯人は誰なのか」「動機は何なのか」と既に事件が解決されることを”前提”として物語を捉えがちだけど、この映画は解決する側としての苦悩や葛藤する”過程”をメインに描いてるので、解決できるかどうかは捜査をする側の人間性にかかっているんだということを思い知らされる。
特に主人公のヨアン率いる捜査班の人間たちが良くも悪くも人間くさくて、ミステリーというよりかはヒューマンドラマとして見入ってしまった。

殺された女子大生の親友がヨアンに泣きながら訴えるシーンで放った一言に胸がきゅっとなった。刑事と情報提供者という関係から、女と男という職業を越えた人間としての関係性に切り替わる瞬間にグッと来る。
「真実が分からないほど、より深淵でより難解な疑問を投じることができる」という監督の言葉の通り、じっくりとラストの余韻を堪能できる上質なミステリードラマでした👏✨
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