TALK TO ME／トーク・トゥ・ミー
A24が北米配給したオーストラリア産ホラーということで公開前から楽しみに。
母を亡くした女子高生のミアは、友人たちに誘われSNSで流行している降霊術 "90秒憑依チャレンジ" に参加する。呪物の手を握り、"トーク・トゥ・ミー" と唱えると霊が取り憑くというもので、その手は90秒以内に離さなくてはならない。
ジャンルとしてはホラーだけど、"依存症" に陥った人間の心理を描く作品でもあった。辛い現実から目を背けたかったり、孤独に耐えられなかったりと "人間の弱い部分" と "そこに付け込む悪" という構図。それはドラッグ（中毒者と売人）や宗教（信者と教祖）などの関係と相通じるのが興味深い。
衝撃的な冒頭のシーンでまずは観客を引き込み、後からそこに結びつける手法が上手い。ホラー映画としての "怖さ" に加え、登場人物たちの心理ドラマとしても面白く、完成度の高い作品と感じる。95分という短い上映時間で一気に駆け抜けるところも好感が持てる。
A24製作／配給で続編も決まっているとのこと。このままミアを主人公にした物語なのか、それとも他の登場人物にフォーカスを当てるのか、新しいキャラが出てくるのか、気になるところ。
