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レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)のsonozyのレビュー・感想・評価

4.0
これは面白いフィリピン映画!

アクション映画の巨匠だった映画監督レオノール(ジャケ写のおばちゃん)は引退して72歳になり、息子のルーディと質素に暮らしていた。
まだ映画への情熱は冷めておらず、路上の少年から海賊版VCDを入手したりしていたが、電気代の支払いを忘れてしまい電気を止められ、ルーディに呆れられる。

脚本コンクールの新聞記事を目にした彼女は、過去に書きかけていたアクション映画の脚本を完成させようと取り組み始める。
そんなある日、とある夫婦が喧嘩し夫が窓から投げ捨てたテレビがレオノールの頭に直撃し入院。見た目は意識不明のヒプナゴジア(hypnagogia 半覚醒)と呼ばれる状態になってしまう。

ここから、レオノールが書きはじめていたアクション映画の中(彼女の半覚醒の脳内世界)と現実が入り交じる楽しい展開へ。

タガログ語の原題は、レオノールの未完の脚本のタイトル『Ang Pagbabalik ng Kwago(フクロウの帰還)』。主人公ロンワルドの二の腕にフクロウのタトゥーが入ってます。

レオノールを演じたシーラ・フランシスコというフィリピンの女優さんがコミカル&チャーミング!
未完映画の主人公ロンワルド、レオノールの息子ルーディ、元夫、亡霊として登場するルーディの兄(彼の名もロンワルド)のキャラも楽しい。

監督・脚本はマニラ出身の新鋭マルティカ・ラミレス・エスコバル(31歳女性)。

サンダンス映画祭: World Cinema Dramatic Special Jury Award
シッチェス・カタロニア国際映画祭: Best Director(Noves Visions)
トロント国際映画祭: Amplify Voices Award
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