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ブルーバック あの海を見ていたのKUBOのレビュー・感想・評価

3.8
2024年の映画館での初鑑賞は、昨年予定が合わずに試写会に行けなかった『ブルーバック あの海を見ていた』。

かつて美しかったサンゴの海は今や白化したサンゴとなり、かつてアクティブだった母も脳卒中で倒れ話すこともままならない。物語はそんな現在の様子から始まる。

主人公は、海と海の生物たちを守ろうと闘う母と、その母と共に海で育った娘アビー。

オーストラリアの美しい海と魚たち。

透明度の高いブルーの海で、魚たちと戯れる少女のなんと美しいことか。

海岸の乱開発で海が汚されそうになっているロバーズヘッドに、毎年訪れる沖縄の宮古島が重なる。ここ数年で海岸線は新しいホテルで埋め尽くされ、島の人が自由に入れる海がどんどん減っている。

冒頭の白化したサンゴも沖縄が共有する問題だ。

アビーが守ろうとする大きな魚がウエスタンブルーグローパーの「ブルーバック」。このブルーバックとアビーの友情が物語の大きな柱になっているのだが、このブルーバックはCGではなくアニマトロニクスだというからびっくり! 

操演で動かされているグローパーがあまりにも自然で、アビー役のミア・ワシコウスカも「本物の魚と芝居していた」ように感じたと言う。もちろん、見ているこちらも「ホンモノ?」って思ってしまうほど。

またアビー役は時代毎に子役と少女とミア・ワシコウスカの3人が演じたが、新人の子役と少女も素晴らしかった。

過去と現在を行き来しながら、海と共に生き、海を守った母と娘の物語が綴られる。

正月から美しく清々しい感動作に出会えました。
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