回想シーンでご飯3杯いける

ジョニーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ジョニー(2022年製作の映画)
3.3
先日レビューした秀作「忘れられし愛」と同じポーランド製作の映画。ホスピスって名前はよく聞けけど、死が迫っている患者専門の療養施設(プログラムそのものも含む)の事なのだと、本作で初めて知った。つまり、本作も「忘れられし愛」同様に死と倫理に関わるストーリーという事になる。

ホスピスを運営する神父の元に訪れたのは、これまでに犯罪を繰り返してきた青年。社会貢献活動に従事する裁判命令で刑務所から出てきた彼だが、当初はまともに働かない。しかし、昨日まで話していた相手が突然死んでしまう日常に、彼の心は少しずつ動き出す。

神父が主人公であるものの宗教の話は殆ど出てこず、あまり説教臭くなっていないのが良い。神父の飄々とした佇まいと、心の成長と共に表情を変えていく青年の演技を見守るだけで、十分に楽しめる。

実話ベースらしく、エンドロールでご本人登場があるのだが、何度も言っているけど、この演出は好きになれない。映画の世界に没入しているので、最後まで俳優の姿を見ていたい。そこで「俳優と本人がそっくりだ!」というテレビ番組的ノリになってしまう事無く、本人の存在はあくまで想像の中で留めておきたいんだけどな。