ひひ

僕らの千年と君が死ぬまでの30日間のひひのレビュー・感想・評価

4.5
漫画、舞台、映画と3種類のメディアで展開されている本作品ですが、漫画は未読、舞台版を観てから映画を観ました。
1000年にわたる物語のうち舞台版では平安時代、映画版では現代が描かれています。
作品の肝となる、光陰の孤独の原因の出来事が起こる平安時代は映画には出てこないので、漫画で予習してから観た方が背景への理解や感情移入はより深まるかも?ですが、予習なしでも楽しめる作品だと思います。その部分が映画でも冒頭や回想シーン等で入っていたらもっとよかったかも。
光陰、草介、舞のどこかで深く繋がっているはずだけど、それでいて付かず離れずな絶妙な距離感が良かったです。アイドルの方がメインキャストをつとめていますが、よくあるちゃっちい商業アイドル映画ではなくちゃんとした演劇作品なのでファンでなくても見応えがあります。
登場人物たちの設定としては不老不死なのですが、ファンタジーやエンターテインメント作品、というよりは演者の細かい芝居をしっかり楽しむ作品です。不老不死が故の凡人とは違った感覚や孤独感、愛の重さなど登場人物たちの心の機微の描き方が丁寧で、浸って観られるのが良かったです。
舞台でも映画でもまだ登場していない時代もあるとのことなので、次回作があったら観たいと思います。
ひひ

ひひ