しろくま

私の頭の中の消しゴムのしろくまのレビュー・感想・評価

私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)
3.9
《ごめんなさい》
〝何が?〟〝この前、コンビニであなたのコーラを横取りしたのは、私なの。昔っからあれがひどくて、ほら、あれ…。なんだっけ。あっ、健忘症だ。でも、あなたは何故、私のことを覚えていたの?〟

そりゃ、美人の女の子に買ったばかりの飲み物を、いきなり横取りされて一気飲み&ゲップまでされたら覚えているだろし、ずっとそのことを根に持って仕返しをしようと思うのも分からないでもないけど…。ただ、もうすでにその頃から、病魔が忍び寄っていたってことね。

上司と不倫しちゃう役柄で化粧も濃かったので、スジンが〝ラブストーリー〟のソン・イェジンさんだとは気づかずに観ていたけど、途中からイチャイチャが増えてくる純愛パートになると、彼女の本領発揮で見入ってしまった。

本作の元ネタは、2001年に日テレで放送された永作博美さんと緒形直人さん主演の〝Pure Soul~君が僕を忘れても~〟。全12回のドラマだけど、この作品では後半ヒロインが出産し、最後の手紙も愛娘ひまわりちゃん宛てで、ファミリードラマって感じ。ひまわりちゃんが誕生日プレゼントに何が欲しいって聞かれて、お母さんに会いたいって答えるシーン、母親と知らずに一緒に砂遊びをするシーンは涙を誘う。両作品ともに〝天国〟っていうワードが出てくるけど使われ方が違うし、相手のことを想って作品をつくるのも映画とドラマでは男女が逆転していて興味深い。

公開当時は特別な病気だと思っていたけど、この年になると〝ほら、あれ…。なんだっけ〟ってことが多くなってきて、他人事とは思えない。今はまだ、〝あれ〟や〝それ〟でも、なんとか会話が成立してるけど、年を取ってくると気になる病気の一つだね。特効薬ができるといいんだけど…。

視聴メモ:2023.05.17/090/図書館🅼DVD(吹替)
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