スワヒリ亭こゆう

SISU/シス 不死身の男のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.5
キャッチコピーにもあるマッドエンターテイメントっていうのが良いですね。本作はフィンランド映画です。
第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台にひとりの老人がナチスドイツ相手に大暴れする話です。
第二次世界大戦中のフィンランドはドイツとソ連の間で板挟みになっていたみたいですね。
ソ連と関係悪化したらドイツと手を組み、ソ連との関係を改善しようとしたらドイツはフィンランドにいた軍を撤退させる代わりに焦土化していったみたいです。
幸福な国というイメージがあるフィンランドですが、本作の様に戦争はどこの国も不幸にするものだというのがよく分かりました。

ドイツに対する恨みもあるんでしょう。ナチスなら敵役にしても文句ないでしょうしね。

荒野で金を採掘していた老人アアタミ。
金を手に入れ荒野を歩いているとナチスドイツ兵とすれ違うという話の導入もシンプルで無駄が無いです。
めちゃくちゃタランティーノの映画から影響を受けてるのが分かる黄色のタイポグラフィ。
老人アアタミとナチス兵との戦闘が起こるというより、喧嘩勃発みたいなノリも良いです。
でも、戦闘の内容は無茶苦茶マッド!
ストレス発散になるぐらいムカつく奴を叩き潰していく感じが良いです!
本当にあっという間ですし、アアタミとは一体何だったんだろうか?と話も膨らみそうな感じもあります。
もっと観たいです。
キングオブコントで1回目のネタが面白かったから、決勝が楽しみみたいな感覚ですね。

喧嘩から殺し合いに発展していってアアタミの怒りも爆発していく感覚がとにかく痛快でした!
こういう映画をもっと観たいとも思いました!
内容は全然違うんですけど、北野映画のバイオレンス描写ぐらい痛快感がありました。
アアタミが犬を飼ってるんですけど、犬種はトイプードル?めちゃくちゃ座敷犬だったのも面白いですね。

フィンランド映画という意味で良い映画を発掘した感も味わえるので、劇場で観て欲しい作品だと思います!