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バルコニー映画のsonozyのレビュー・感想・評価

バルコニー映画(2021年製作の映画)
3.5
ポーランド・ワルシャワの監督の自宅アパートメントのバルコニーにカメラを据え、家の前の歩道を歩く通行人に唐突に声をかけ、個人的な話や、人生の意味、社会についての会話を記録/編集した作品。

ほとんどが見知らぬ人のようですが、近所の人や知り合い、自身の妻や子供、愛犬も登場します。
※Wikipediaによると、2年間に渡り延べ165日間、約2,000人が対象となったようです。

出所してきたばかりで仕事も家もない男、歩道の枯れ葉や雪を掃く女性、読んでいた本について話す女性、亡き夫への思いを抱える近所のおしゃべりおばちゃん、ロザリオ(聖母マリアへの祈りを唱える際に用いる数珠)を手に語る女性、バルコニー映画のコンセプトで長編が出来ると語るスキンヘッドのおっちゃん、照れながら歌を披露する女性、医療に関して国を批判する女性、40年連れ添ったパートナーを失ったゲイの男性、Madaddy(MamaとDaddyの役割を一人でこなす)を名乗る男性と叔母と子供、マジックを披露する若者、アル中人生から抜け出した男、映画に出たという赤ちゃんを自慢する女性、独立記念日に国旗を手に歩く男、死と向き合う老女・・・
幸せを手に入れた人、失った人、苦しむ人、信じる人、岐路に立つ人、前進する人、主張する人...個人の物語に触れるユニークなドキュメンタリーでした。

ロカルノ国際映画祭: 批評家週間グランプリ
ポーランド映画祭: 最優秀ドキュメンタリー賞 ほか
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