ヒデ

AIR/エアのヒデのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
4.2
「マイケルはナイキと契約しない。会いたくもないはずだ。ナイキの靴が嫌いなんだ」

バスケシューズ界において弱小だったナイキが、伝説の"エア・ジョーダン"を生み出し、マイケル・ジョーダンとの契約を勝ち取るまでの話。

企業モノとして最高にアツい内容だった!こういう影の功労者の話めちゃくちゃ好き。普通なら何選手かに分けて投資するスポンサー料をジョーダン1人にブッ込むところからもう面白かったし、「信じて賭ける」という行動の大事さを何よりも感じられる映画。

主人公のソニー自身が大のバスケ好きで、彼があそこまでジョーダンに心酔していたからあの名プレゼンが生まれたのだと思う。ソニーがマイケルに熱い言葉を語りまくるシーンだけでこの作品は観る価値があった。最高に痺れるスピーチ。

予算25万ドルを全ベットして一人の選手と契約すること、代理人を無視して直接選手を訪問すること、規約違反のシューズをつくって毎試合罰金を企業が払うこと、そして売り上げの利益配分まで行うこと、その全てが当時どれほど異例だったか。前例のないことをやりまくって契約まで辿り着いた後半にグッと来た。フィルとかハワードとか、愚直にソニーを信じてくれる上司がいるのもいい。"エア・ジョーダン"のネーミングの由来と製造秘話もアツかった。

4年前にオレゴンのナイキ本社に行った時、金ピカのエア・ジョーダンが入ってすぐのところにたくさん並べられてたけど、ナイキの人たちにとってこの一足がどれだけ大事なのかを改めて感じた。今ある日本庭園も当時からあったのなんか意外だったな笑


以下、セリフメモ。


「ナイキはジョギングの会社だ。でも黒人は走らない。走っていたら警官に盗みを疑われる」

「囚人が処刑される時、最期の言葉を聞いた。その答えだ」
「"JUST DO IT.(やればいい)"が?それが由来?まさにバスケ部門の現状を暗示してるな」

「君は高校バスケ界のミスター・ミヤギだろ?逸材を導くためにここに呼ばれた」

「ジョーダンは無理だ。高すぎる」

「役員会はバスケ部門の廃止を求めてる。改善できないともう守りきれない!」

「もっと予算がいる。本当に25万ドルか?50万ドル欲しい」

「(決勝ラスト30秒で)1年生の手にボールを託した。なぜだ?監督のスミスは気づいたからだ。ロビンソンも気づいた。ジョーダンの偉大さに」

「3人との契約は必要ない。1人でいい。ジョーダンだ」

「彼だけに絞ったブランドを作り、彼のアイデンティティーを最大限利用する」

「彼がシューズを履くのではなく、彼こそがシューズだ」

「他社にはできない説得がある。"うちのバスケ部門はクソだ"」

「アディ・ダスラーだから"アディダス"」
「あいつはナチス党員だった。鉤十字の服を着た写真を見た。ナチスは過去じゃ済まされない」

「俺は自分のキャリアをマイケル・ジョーダンに賭ける」

「押しかけるなんて厚かましい。でも私の信念は"欲しければ言うだけでなく行動しろ"。それが大事」

「ペンシルバニア人はバカか!?家に行くなんて!!」

「どう控えめに言っても、(プレゼンを)成功しなけりゃ俺の居場所はないな」

「シューズの51%以上は白。NBAは厳しくて罰金がある。1試合につき5000ドル」
「赤を足さないか?もっと赤く。我々が罰金を払えば宣伝になるのでは?」

「"エア・ソール"じゃない。"エア・ジョーダン"だ」

「靴はただの靴だ。だが誰かが履いた時、意味が生まれる。人々はその偉大さに触れたがる。自分のためではなく、人々のために履いて欲しい」

「ここの誰もが命が尽きれば忘れ去られる。でも君だけは永遠に記憶にとどまる。不滅のものがあるからだ。マイケル・ジョーダン。君の物語は人々を飛び立たせる」

「ナイキはバスケのスターを長年探してきました。君がそのスターだと信じる」

「最高のスピーチだった!」

「アディダスと同額だ。だが向こうにはもう一つある。25万ドルとベンツだ」

「契約をする前に一つ条件を付け加えてもいいかしら?当然のことなので書面から漏れたのね…。靴の売り上げの一部を受け取りたいの」

「生涯に渡り私たちは利益の分配を受ける。"エア・ジョーダン"がある限り。靴はただの靴よ。息子が履くまでは」

「ルールを破れば名が残る。契約しろ」

「友人を作らないのがいい代理人の条件だ」

「うちのシューズの最高収益は300万ドルか?一人の選手に何ができる?」

≪"エア・ジョーダン"は初年度、1億6200万ドルを売り上げた≫

≪現在"エア・ジョーダン"は年間40億ドルを売り上げる。マイケルはナイキからの収益分配により、年間4億ドルの収入を得ると言われる。2003年、ナイキはコンバースを買収した,≫

≪NYタイムズはソニーをこう評した。"スポーツ史上最高の改革者"≫
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