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夜明けのすべてのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0
第74回(2024)ベルリン国際映画祭フォーラム部門選出。『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督作品。
前作もそうですが、とてつもなく繊細な映画。作品の前半は、それぞれの抱える痛みが伝わり、緊張感があるのだけれど、物語が進むに従い、「時間」と「空間」が優しくなり、映画を観終わるころには、心が暖かく、前向きになれる映画。言葉で書くと簡単に聞こえるが、映像のつくり方、間の取り方、余計なセリフを語らず、という緻密な作業が、この「時間」と「空間」づくりに費やされている。凄い。松村北斗さんは、アイドルではなくなってきたな、という印象の演技で好感。上白石萌音、光石研、渋川清彦、芋生悠など役者陣の演技は素晴らしい。大型商業映画の「わかりやすさ」や「顔アップ」という、ある意味「価値観の押しつけ」がこの作品には、ほとんどない。編集部的には、ミニシアターで上映し、満席で支援して欲しかったが、シネコンで上映される作品も少しずつ、変化していくのか。おすすめ作品。
2024年2月14日@MOVIX京都
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