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テトリスのKUBOのレビュー・感想・評価

テトリス(2023年製作の映画)
4.0
3月8本目の試写会は、Apple TV +『テトリス』ジャパンプレミア試写会。

これは世代的にも、なかなかおもしろかった。

「テトリス」ってゲームは、おそらく老若男女、みんなが知ってるゲームのNo.1だろうけど、その「テトリス」が旧ソ連(ロシア)で作られたゲームだってことは知ってるかな?

本作は、そのテトリスの版権を手に入れるまでの実話に基づくお話なんだけど、

最初のうちは「なんだ、商談の映画か。盛り上がるのかな?」なんて思って見てたけど、舞台がソ連になってからは、商談どころか、ほぼスパイ大作戦。

本来、開発者の権利であるはずの知的財産を、「国」のものとして、その売却にまつわる賄賂に群がる政治家やKGBが、お互いに牽制しながら暗躍する。

「テトリス」だけじゃなくて、当時画期的な発明だった初代「ゲームボーイ」の登場など、80年代を知る人々には懐かしさも相まって余計におもしろい。

主演はタロン・エジャトン、奥さん役には長渕剛の娘さんの長渕文音。英語もちゃんと喋れてなかなか良い。

ただ、コロナ禍での制作だったからなんだろうけど、任天堂も含めて日本がかなりの舞台になるのに、部屋の中ばっかりで、らしいロケーションはひとつもなかったのにはチープさも感じられて残念だった。

テトリスの版権獲得とソ連の崩壊。90年代、世界の地図は大きく変わっていく。そんなゲーム黎明期の時代に夢を追った男の物語。おもしろいよ。
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