あおは

コヴェナント/約束の救出のあおはのネタバレレビュー・内容・結末

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

ガイ・リッチーの最新作!
観客の集中力を引きつける展開のスピード感とハラハラ感がやはり流石だなと思った。

米軍のジョン・キンリー曹長と通訳のアーメッド。ただ通訳をすればいいとジョンはアーメッドに伝えるが、簡単には指図に従わず、持ち前の洞察力や頭の回転の速さでしっかりと物事を見据えながらも、従わないからジョンにはじめは気に入られない。
しかしアーメッドが異変を捉えて罠にはまることを回避したことから、徐々に2人の信頼関係が築かれていく。
2人を繋いでいったのは、家族を思う気持ちに対する共感であったような気もした。
爆弾工場でタリバンに襲撃され仲間を全員殺されたあと、深く落ち込むジョンに声を掛けたいけれど何と言ったらいいのか分からないようなアーメッドが可愛らしく感じた。

タリバンから逃げて途中にあった家の陰で朝を迎えてからのシーンがとても恐ろしかった。無線を拾ってしまった=接近してきているという間接的な危機が余計に恐怖を煽ってきたし、タリバンが急に攻撃してきたシーンも驚いて体がビクッと反応した。
「ジョン、帰ろう」
瀕死状態になったジョンを助けるべく米軍基地を目指すアーメッド。
どうしてここまでしてジョンを助けようとするのかという疑問は浮かんできたけれど、多くを語らない2人の間には固い絆ができあがっていたのかなと思った。
アーメッドの根性と限界突破により無事に帰還し、アメリカで家族と再会できたジョンだが、命の恩人であるアーメッドが追い込まれていることを知り、彼を助けるためアフガニスタンへもどる。
ここからもかなりスピード感があり、集中を切らすことやスクリーンから目を背けることを許されていないようだった。そんなことを考える隙もないほど引き込まれていた。

ジョンを送り出す奥さんも本当に強い女性だなと思ったし、ジョンが死んだと思って過ごした3週間のことを考えると、再び送り出すところにより強さが窺える。

アフガニスタンにもどってからも、やはりタリバンに追われ、手に汗握る展開で久しぶりにハラハラしすぎて手汗をかいた。

タリバンにたくさんの通訳とその家族が殺され、今も身を隠している人がいるなかで、ビザが発行されなかったことに対する疑念。
社会的なメッセージも強く感じ、おもしろかったという一言では片付けてはいけない気がした。

最後、機内で2人が頷くところで鳥肌がたった。あまり語らないのがまたいい。絆の固さがより強くみえた。

コヴェナント。絆、誓い、約束。
あおは

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