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パスト ライブス/再会のmatchypotterのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.0
個人的にはあまり手をつけないジャンルだけど、周りの人が良いと言っていて、その勢いでチャレンジ。

結果的には良かった。
この作品がなんか良いなぁ〜と思うこと自体、自分も大人になったな、とか柄にもなく考えてしまう、そんな作品。

普段は派手な作品を選びがちなだけに、こういう“間”や“無言”で伝えてくる情報や雰囲気がとても新鮮に感じられた。

12歳の時にどちらかともなしに引き合ってた少年少女。
その少女の家族のアメリカへの移住により、突然その関係が終わる。

その間、少年の方はアメリカへ旅立った彼女をネット上で探し続け、12年後にFacebookで繋がる。

しかしながら、その距離とお互いの人生の過渡期により再び疎遠に、、、。

そこから“さらに”12年。
ついに、2人がアメリカNYで再々会する。今度は直接FacetoFaceで。

過渡期を過ぎ、色々あった12年+12年の時を経て、アメリカの地で会う2人。
お互いの人生が動き出していて、ある程度形成されてる領域もある中で言葉を交わしたり、交わさなかったりする2人。

何年経っても色褪せない気持ちもあれば、今となっては言っても仕方のないこともある。

そんな年々歳を重ねた2人の“イニョン”。
“縁”“運命”。

これが“間”や“無言”、そして、“言葉”や“仕草”一つ一つに滲み出ている。

カメラアングルもめちゃくちゃオシャレ。
さすが、新進気鋭の制作スタジオA24だけある。
この作品がA24とは意外な気もするが、納得感もある。

突然の別れの悲しさ、画面越しの会話の切なさ、会ったことによる感情のざわつき、そして、言葉を紡ぎながらもどこかにある現実や覚悟。

これらを1つ1つ、24年前、そして24年間ではできなかった、言えなかったことを一生懸命伝え合う重み。

「あの時、◯◯してたら、、、」

誰にでも歳を重ねれば1つや2つはある人生の岐路。
どの選択が正しかったかはともかく、ここまでこうして生きてきた意味を反芻するように。

“パスト”が“ライブ”するのが“今”であり人生。

昔、言われたことを思い出す。
「“初恋”は実らない」

色々あっても、それぞれの“選択”があっても、今もこうしてその当時からのことを大切に思っていることを、たとえそれが幸せなことかはわからなくとも、伝え合いたいと思う2人がどこか羨ましい。

この“夫”の“勝ち目のない話”や、“寝言”の話、そして、ラスト。
彼の器というか、存在感、優しさ、切なさ。
ヤキモチとも少し違う雰囲気がとても刺さる。

これを観ると、道ゆく他人にも色んな“パスト”が“ライブ”しながら、それを背負って生きてるのかな、とか思わざるを得ない。

派手ではないけど、何かが淡々と心にちり積もる作品。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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『matchypotterと映画の秘宝』
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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