このレビューはネタバレを含みます
【 運命の淡い糸 】
この映画、たまらな“イニョン”。
過去と記憶で愛し合い、過去と記憶で結ばれる。しかし、今と未来は結ばれない。まるでニューヨークにある、追っても追いつかないあのメリーゴーランドのようである。皮肉にも自由の女神の側に居ながらノラは、自由の女神にはなれなかったのだ。
これほど儚い物語があるだろうか。誰もが認める運命の存在が確かにそこにあるのに、触れることは決して許されないのだから。婚約者に失恋を慰めてもらう世界は、ただひたすら切なかった。
だけれどそれぞれが事実と悲しみを受け入れ歩んでいく様は、純粋で美しかった。
今は合わない、逢えない。
だったら来世でまた逢おう。
来世では、結ばれよう。
来世では、キスを交わそう。