たむ

アダマン号に乗ってのたむのレビュー・感想・評価

アダマン号に乗って(2022年製作の映画)
3.5
フランスの精神疾患の患者向けのデイケアセンターを舞台にしたドキュメンタリーです。
内容も取材先もテーマも考えると、非常に大変だったのではないかと思いますが、見事にベルリン国際映画祭で最高賞を受賞しました。
製作前にどこまで患者さんや先生と信頼関係を結べるかが重要なポイントになったと思います。
その意味でも、本作でそれぞれの過去や病状などについて赤裸々に語るインタビューを観ると、その関係性は構築できたのではないかと感じました。
そのことによって、劇映画では出てこない、人間の根幹的な心が現れてきます。
現代社会の様々な課題や問題が個人に対してどんな影響を与えて、それでもどう生きてどうやって乗り越えていくのか。
本作で強調されるのは、創造力と感じます。
プログラムも絵画や身体表現、ミーティングで語ることが多いです。
社会は変えられないかもしれない中で、自分自身を生きやすくする事について描かれている映画ですね。
たむ

たむ