エイプリル

サイコーで、最高のクリスマスのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

主人公の嫉妬心と被害妄想がキツすぎて、正直前半はクリスマス映画なのになんてストレスフルなんだろうかと思いながら見ていたんですが、主人公の夫も友人も主人公に向いたヘイトを全部吹き飛ばすくらいの仏マインドを持っていて、すっかり帳消しになりました。こういうやり方で映画全体のヘイトを減らす手段あるんだ。
数ヶ月かけて作った模型を壊されて「過去は水に流そう。今でも私たちは友達」って言える人すごすぎるだろ。一生大事にしてほしい。
あとは子どもの関わりもいいです。友人家族の娘は確かに賢いんですが、それを鼻にかけたり「私はお前よりすごい」みたいなことは一言も言わず、「サンタがいるかどうか」について主人公の息子とデータを元に対等な立場で検証しています。子どももこんな感じの聖人ムーブなので、余計に主人公だけが浮いてしまっていました。

話自体は普通と言えば普通なんですが、完璧に思えた友人家族も、大事な息子を失ったという過去を持っているというファクターはかなり良かったです。確かに想像してみると、一見完璧に見えるような人生でも「家族を失う」という事件が過去にあれば、当の家族としてはどんなに成功してても完璧な人生とは思えなくなるな…と思えました。
友人家族にとっては誰一人欠けることなく仲睦まじく一緒に行動している主人公家族の方こそ完璧に見えていたのかもしれません。

ちゃんと最後もクリスマス的な展開で綺麗にオチを締めていますし、普通に泣けました。普通なんですが、普通こそが良いんだというテーマ性も相まって、意外と良い話でした。
エイプリル

エイプリル