Uえい

マエストロ:その音楽と愛とのUえいのレビュー・感想・評価

3.5
バーンスタインは去年「ター」で知った程度で、あまり興味のあるテーマでは無かったけど、音楽は勿論のこと、撮影や映像のグレーディング、演技などが上質で素晴らしかった。

本作はバーンスタインと妻フェリシアの関係を中心に描いていた。そのため、レナードの活躍は大胆にカットされており、ある程度の前提知識を求められる。

特徴的なのが映像だった。スタンダードサイズで人物の顔がアップになるシーンが強く印象に残る。なんといっても色彩も印象的だ。妻フェリシアとの出会いはモノトーンで描かれていて、その後、テクニカラーの様な懐かしく温かみのある色彩に変わる。レナードの生きた時代の映像に合わせたのかも知れない。

映像と対比するかの様に夫婦の絆は壊れていく。レナードはバイセクシャルだったため妻の前でも恋人と手を繋ぐなど遠慮がなかった。そして、娘にもバレてしまう。その後、フェリシアは吹っ切れたかの様に自分の道を歩むが、再びレナードと向き合うと同時に、乳がんが判明し、最後の時を二人で過ごす。最後のレナードの指揮のシーンから、フェリシアの最後までの演技がすごい!エンドロール前に実際の映像が流れるが、そのまんま過ぎて笑えてくるほどだった。

主演のブラッドリー・クーパーは監督も務めていて、同様の座組の前作「アリー/スター誕生」も気になる。
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