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マエストロ:その音楽と愛とのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

3.4
ブラッドリークーパーは観客目線というより役者目線でつくるのかな。

2時間11分という時間の中で、一人の生涯を語ることの難しさってあるんだろう。
どうしても、映画全体を通して、キャラクターに何があって、どうなったかに時間を使わざるを得ないから、その間の感情の起伏においていかれてしまって、キャラクターを信じることができない。
各シーンの(シーケンス)のクオリティはものすごく高く、そのシーンでのキャラクターの感情は色濃く出ているの。しかし、その次のシーンにいくと、その感情から一気に飛躍してまた新たな感情に移行する感覚だった。
埋めようと思えば、埋めれるリープなんだけど、それぞれのシーケンスであんなに丁寧に感情描写をしたのに、その間が描かれないところに、ドラマの欠落を感じた。
編集においては、かなりアクティブな編集で、編集でそのリープを乗り越えるというか、間を表現するという手法もとられており、そこには感心したが、それだけでは無理があった。

30年という長い時間を2時間そこらで描かなければいけない。さらには、その相手のキャラクターも同等に中心人物として描かれる。しかも、6分の長回しで指揮シーンを撮りたいという。
ちょっと欲張りすぎなのかもしれない。
素晴らしい役者が演じなくても、面白い本じゃないと、素晴らしい役者が演じたとしても、面白くはならない。

それにしても、主演二人の演技はすごすぎた。
男優賞は持って行ってもいい。けど、監督賞とか脚本賞とか作品賞とかはなんか違う気がする。

レナード・バーンスタインの話だったのか、観るまで全然知らなかった。
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