tanayuki

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search/#サーチ2(2023年製作の映画)
4.4
前作の出来があまりにもよかったので、かえって見るのをためらっていた作品。前作で監督+脚本を担当した2人は今回はプロデュースにまわり、前作で編集を担当したウィル・メリックとニック・ジョンソンが新たに監督+脚本となって、新しい映画の表現をさらに押し広げた本作を生み出した。見ないでいたのがアホらしくなるほどの快作だ。

冒頭、マーゴット・キム失踪事件の捜索シーンが流れるが、前作とは別人の男が大写しになり、「あらら、権利関係でモメちゃった?」と思わせておいての、まさかのネトフリドラマ化の流れで「やられた〜」となること請け合い。思わずググって調べちゃったよ(それで、前作のシナリオライター・チームが本作では製作に名を連ねていることをはじめて知る)。この人たちのあくなきいたずら心には、一瞬たりとも気が抜けないことを思い出す。

前作は父親のデヴィッドが姿を消した娘を捜す物語だった。その過程で次々と明かされる娘の真実の姿に驚き、戸惑う父親の複雑な感情を追体験するのがストーリーの骨格だったため、デジタルネイティヴではないデヴィッドのデジタルスキルとスピードについていくのは比較的容易だった。だが、今回は、どちらかというとデジタル音痴に近い母親グレイスの行方を、デジタルネイティヴの娘ジューンが追うストーリーなので、ジューンのスピード感についていくだけでもたいへんだ。え? そんなサイトあるの? 公開情報でそんなことまでわかる??? それマジ??? という驚きのオンパレードで、あれだけの動作をリアルタイムで、遅滞なくこなしていくジューンとヴィーナの速度感は、ハッカーのそれに近い。あれが彼らの日常だとしたら、追いつくのはちょっと無理かもと思ってしまった。(おっさんの嘆きです、ハイ)

あと、いまさらだけど、パスワードの使いまわしはマジでやめましょう。すべてのログはネットに残っているのだから。物語の構成上、グレイスやケヴィンのアカウントにアクセスできないと話が先に進まないという事情はわかるんだけど、それにしても、本人確認さえ突破してしまえば、あそこまで簡単かつ詳細に他人の行動履歴をたどることができるというのは、やはり空恐ろしいよね。

△2023/12/28 U-NEXTでレンタル鑑賞。スコア4.4
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