いみ

アンダーカレントのいみのネタバレレビュー・内容・結末

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ゆっくりとたゆたうように描かれた映画だった。
漫画読んでて今泉さんのファンで。
どんなもんかと思ってたけどやっぱりよかった。
漫画の雰囲気そのままだったし、間がよかった。最近なんでも倍速で見てるからやたら長く感じたけどそれがよかった。
倍速で見るなんて罪かな。

今泉監督の映画は見るたび「あー今泉さんっぽいな」と「あれー今泉さんっぽくないかも」になって面白い。これからも追い続けてしまうと思う。
江口さんとのシーンのカメラワーク?がすごく独特で面白かった。主役の真木さんが話し始めているのに江口さん1人のアップから真木さんにいかないの。
真木さんの声だけ聞こえてまだ江口さんの顔のまま。
なにこれ!って違和感、でもよかった。
今泉監督の画面好きだなぁ。
あと、堀さんとかなちゃんが軽トラで銭湯の機械を譲り受けられず帰宅する途中湖に立ち寄るあのシーン。
ドローンで撮ったのかな?とか考えちゃったけど印象的なシーンだった。
大きな湿原の、水際に立つ2人。
図らずとも水辺にゆかりのある2人。
吸い込まれそうになるかなえの前の水面に石を投げる堀さん。
現実に引き戻す堀の優しさと強さを感じた。
台詞がなくても空気で感じさせる二人の関係性。
ああ、映画ってこういうところが最高なんだよなとしみじみ強く脳裏に焼き付いた。


関係ないけどドジョウの味噌汁とか泥臭そう。
好きでもないのにおばさんが好きと勘違いして待ってきてくれるのを喜ぶフリをずっとしてるかなえ、優しさが伝わった。
堀さんが泣き出して「僕には妹がいます。名前は」って語るところも含めて、漫画にはないけどすごくいいシーンだった。とてもよかった。
あとなんと言っても探偵がリリーさん、漫画ともぴったり合っていて最高だった。

最後
嘘つきの夫と決別して日常が戻る。
堀さん、なにも言わず町を去ろうとするがやめる。
2人静かに、並ばずに
(かなちゃんと犬、そのあとすこし距離をあけて堀さん)歩いてく。
右下にアンダーカレントの筆記体。
(筆記体かっこよかった。雰囲気あってよかった)
いみ

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