さ

アンダーカレントのさのネタバレレビュー・内容・結末

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

初手から、あー!多分この映画好きだなー!ってなった
ずっと青みがかってるような、それでいて白んだ感じの映像で、霧の中で人と会話してるような、水中から人が会話してるのを見ているような、そんな雰囲気の映画だった
みんな核心をつくことは言わないけど、台詞の一つ一つがぶっ刺さるから、ずっと色々なこと考えながら観てた
リリーフランキーの探偵とたばこ屋のおっちゃんがすっごい良かった
ただ、中盤は少し退屈で眠くなってしまった

最初探偵が「人をわかるって、なんだと思います?」みたいなことを問いかけてきたけど、そこから最後までずっと「人をわかる」に関して考えながら観てた
これは最近の私もよく考えてることなんだけど、多分人は、自分自身のことすらよく見えてなくて、今の気持ちが嘘か誠かなんて定かじゃなくて、だから他人のことなんてもっとわかんないよなって、映画を通してアンサーを貰ったような気持ちになった

なんていうか、人の心の深い場所を流れている曖昧で矛盾してる感情みたいなものを露わにしてくるような、感じがした(アンダーカレントの名の通り)
真木よう子と瑛太が話し合うところ、あそこのシーン、心臓を手の上に乗せて見せ合いながら話してるみたいな、緊張感と赤裸々な気持ちが伝わってきて、「ここまで言うんだ、もはや愛だな」とまで感じた
瑛太は「ずっと嘘を吐いて生きてきたから本当がわからない」って言ってたけど、人は常に嘘を吐いてるし、嘘って結局なんだろうな〜、自我ってなんなんだろうな〜、って思った
感情とか、気持ちとか、当人にしかわからないけど当人でさえよくわかってないことなんてたくさんあるし、単純じゃない人間たちが描かれてるのがすごく良かったです
さ