がちゃん

ファンタズムのがちゃんのレビュー・感想・評価

ファンタズム(1979年製作の映画)
3.4
懐かしい映画を再見するのは、
久しぶりの同窓会で旧友にあうような感覚に似ている。

変わってないかなあ、
いや、変わっているだろうなあと会う前にいろいろ考えて、
会ってみて、『ああ、そういえばそんな奴だったよなあ』・・・と。

この作品、
初めて観た時はかなりビビったのを覚えていて、
私にとってトラウマ映画だった。

兄の友人の葬儀を双眼鏡で覗いていた少年。
葬儀が終わった後、大人10人くらいで担がなければならないような棺を、一人で抱え上げて車に乗せる男を目撃。

好奇心でその墓地に行ってみた少年だが、
その後次々と恐怖体験を味わう・・・

描写が曖昧なので断定できないが、
その大男、どうやらこの世界と別次元の世界との仲介人のようなやつで、
遺体を掘り返しては小人にして奴隷として働かせているようだ。

少年に襲い来る小人。
刃物で指を切断すると黄色い液体が噴出する。

異次元空間なのかわからない部屋では、
野球ボールくらいの銀の球体が刃物と化して眼をえぐりに来る。

兄からじっとしてろという忠告を聞かずに行動する少年にイライラしながら、大男は落とし穴という実に古典的なオチで最期を遂げる・・・


と、いう夢を見ていた間に、
兄は死亡しており、
まさかの夢オチかとがっかりしかけた瞬間、
意外でショッキングな本当のクライマックスがやってくる・・・

たくさんのゴア描写を見慣れてきた今では、
この作品の描写はおとなしいし、
(とはいえ、当時はかなりショッキングだった)
行き当たりばったりの展開でよくわからない場面が多いのも今となっては不満だが、わかっていてもラストのショック描写は決まっていた。

知らなかったのだが、コスカレリー監督はよほどこの作品に思い入れがあるらしく、続編まで作っていたんですね。
がちゃん

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