バッティ

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのバッティのネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

露伴過去編の一夏の不思議は最高だった。色気と怪奇の両立が凄まじい。この時点では邦画ベスト来たかもな……と思っていた。

漫画家探偵ルーヴルでの華麗な推理!みたいなのは本当にしょうもないので大仰に尺取らずパパッと済ませて欲しかった。まぁ原作にもあった気がするししょうがないけどさ。ちょっとテンション下がったね。

あと絵師の過去回想。内容はもちろん良かったしないと一本の映画として分かりにくくなるんだけども、どうしても映画を見るときに個別のエピソードが分断されて配置されるとフワ〜としてくるんだよね。今回はただでさえ露伴の過去パートと現代パートの両方があったからさ。3つ目が出てくると纏まりの無さみたいなのが生まれちゃってさ。

でも本当にこの2つは不可抗力だと思うし、それがなくても今年みた邦画ベスト3には入ると思うな……めちゃくちゃ面白かったよ。序盤の黒い絵という存在のフックでじわじわ不思議なことが起きていく現象とか、岸辺露伴若き日の思い出とかは特に。日本のドラマ最高だぜ〜〜〜ってなった。というか木村文乃さんの存在が、色気がヤバすぎた。「重くてくだらなすぎる」「くだらなすぎて安っぽい行為」(wikipedia引用)だわっ、ってとこは流石に実写で読むのは難しかったか〜って感じだけど、すごくジョジョだったね……

原作は京大の図書館の所蔵リスト漁ってたら何故か漫画がこれだけある!?ってなって借りて読んだ以来で記憶が曖昧だったんだけど、荒木先生が偶に描くババアとか、突然水のないところで溺れる人とかが忠実に再現されてて最高だった。とにかくまぁ原作再現がすごい。日本パートでもフランスパートでも美術表現が達者で、何より露伴の描くデッサンやら漫画やら仁左右衛門の描く絵が良いものだったので凄く入りこめたな……

しかしルーヴルに依頼されて描いた結果、ルーヴルに東洋邪悪怪奇絵を潜り込ませて、この恐ろしい美術館にはまだまだヤバい代物があるかもしれません……ってやる荒木先生は大概やな……と改めて。それをルーヴルでちゃんと撮影して面白い実写にしてくれた実写チームに敬意を。もっと色々撮影して!そして4部実写part2をもう一度やらせてくれ!
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