けんけん3号

丘の上の本屋さんのけんけん3号のレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
3.6
WOWOWオンデマンドで見つけて鑑賞。古本屋の老人店主のリベロと少年エシエンの交流の物語。リベロが本を与えて、エシエンもそれに答えていく。そのジャンルはコミックから物語へ幅か広がっていき、エシエンもその本たちに夢中になっていく。本は想像力を豊かにし、思考力を高めるので、さぞ楽しかったことだろう。そして2人の間には友情のような絆が生まれていく。こういう人と人の繋がりって貴重だよね~。見ていて微笑ましくなった。そして別れの時が来る。リベロが最後にエシエンに託した本は…。前半のほんわかムードから本のタイトルで作品のメッセージをバシッと伝えてくる。この本は、エシエンの今後の人生の糧になることだろう。それを与えるリベロの真剣な想いに心が揺れた。エシエンにとって本を読むということを教えて貰ったこと、リベロとの出会いは一生の宝になるだろうね。作品はそれだけじゃなく、ちょっと個性的な面々が登場してアクセントになっている。皆、善人で気持ちいいし、ニコラとキアラのくだりは微笑ましい。偶然手にした日記をなぞっていくのも面白い演出だった。尺も短く、サクッと鑑賞できるし、優しい気持ちになれる作品。