気になったので、公開していたちょっと遠方の映画館にて鑑賞。
いやー面白かったです!
富豪の娘である妻にリゾートの島に連れられていった売れない作家のジェームズ。出会った夫婦に誘われて禁じられているリゾート外に出てしまい、運転中に地元民をはねてしまう。有無を言わさず死刑、のはずがお金を払ってクローンを作ればそれが身代わりをするという。
狂気はとどまらず、実は誘った夫婦もその仲間たちもクローンに身代わりをさせたことがある経験者ばかり。
酒に薬に溺れながら何をしても許されるという狂気の世界にハマっていく。
狂気が満ちたホラーの世界だが、現代でも見られる旅先での外しすぎた行動を戒められているようだ。観光客を守るための制度、そして警察も皆、裏でつるんでいる。もちろん金がなければクローンはつくれない、格差社会も皮肉っている。
自分と同じ姿をしたクローンが殺されるのをみているってどんなものなのか。人が狂っていくのもわかる気がする。
途中、登場人物が本物なのかクローンなのかと混乱しそうにもなった。
狂気の世界が凄まじい映像と音響で奏でられてそれだけでも迫力満点の作品。
最後はどうなるのかと思っていたら、日常に戻っていくところがかえって人間の身勝手さを映し出しているようで、薄ら寒く恐ろしい。
ひとり残ったジェームズは何を思うのか。もう抜け殻のようになってしまったのか。それだけの人間としての尊厳をまだ持っていたのだろうか。
身代わりクローンから人間のあさましさを突きつけるストーリー、これだけの映像美の迫力、なかなかの作品に感動。
ちょっと露骨なキツイ描写もあるので注意。