回想シーンでご飯3杯いける

80 For Brady : エイティ・フォー・ブレイディの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.0
先日の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」のレビューで書いた「俳優本人の年齢に見合った役を演じる事に時間を割いて欲しい」に対する答えのひとつが本作なのかもしれない。

アカデミー受賞&ノミネート経験を持つ4人のベテラン女優が競演。タイトルの「80」は1980年代ではなく、80才代の事なんだね。演じている4人のうちリタ・モレノに至っては、既に90才を超えている。

そんな彼女達が、自分達のヒーローであるフットボール選手、トム・ブレイディがスーパーボウルでプレーするのを見る為に旅に出るというストーリー。実話ベースという事もあって、4人の素の姿を見ているような楽しさがある(もちろん演技しているんだけど)。トム・ブレイディを筆頭に、多数の選手が本人役で登場しているのも特徴だ。

先に挙げた「インディ・ジョーンズ」や「トップガン」等、往年の名作に出演していた俳優が、今も現役である事をアピールするように描く続編が、僕は正直苦手だ。年老いた彼等には、年齢に見合った役や魅力があるはずだし、残りの人生をそこに費やして欲しいと願っている。「まだ若い」ではなく「魅力的な老い方」を見せて欲しい。本作で生き生きとした姿を見せる4人を見て、僕はとても幸せな気持ちになれたし、自分の老後もこうでありたいと思った。

映画としては粗削りな部分もあるけど、業界や俳優のあり方として、強いメッセージを感じたので、スコアはちょいオマケしておく!