厳しい自然の中で親から離れてしまった子象と、その子の世話をする飼育員の触れ合いを描いた40分のドキュメンタリー。
同じくNetflix製でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『オクトパスの神秘』に通じる、動物と人間の深い絆を描きます。
そしてこの映画も、アカデミー賞にて、短編ドキュメンタリー賞に輝いています。
象の牙によって怪我を負って、今は大きな象は飼育できない男性飼育員。子を亡くした悲嘆も抱える南インドで初めての女性飼育員。
生きる中で傷を抱えた過去があるふたりが、親とはなればなれになってしまい体も弱ったところを保護された子象を飼育することで、お互いに心を埋めていく。
動物の世話という次元を越えて、飼育員と子象がお互いを家族として、欠かせない存在として認識する様子を、美しい自然の映像美と共に見せてくれます。
人間と動物ということではなく、これは子育ての映画だよな、と強く感じましたね。
子どもにどのように愛情を注いで、育てていくかというテーマが、子象の飼育を通じて普遍的なものとして響いてくる。
飼育員と子象が並んで歩く姿が、微笑ましい家族写真のように見えたほどでした。