パピヨン

波紋のパピヨンのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
4.0
萩上直子監督は相変わらず面白いものを書きますねー、「川っぺりムコリッタ」「彼らが本気で編むときは、」「かもめ食堂」等々、(テレビドラマでも「珈琲いかがでしょう」)。
須藤依子(筒井真理子)は新興宗教に囚われていて、勉強会だの布教活動により心の安定を得ています。そこに十数年前に失踪した夫の修(光石研)が突然舞い戻ります。何もかも依子に押し付けたまま逃げた修は、今度は自身の癌治療の援助を求めてきました。そして離れた地で就職した息子の拓哉(磯村勇斗)はこれまた突然、障害のある結婚相手を連れて戻ってきました。日々の世の中の不条理と共に依子には苦難の波が押し寄せて···。
ムム、これはいったい誰が悪いの?ムム、これはいったいどんなおとしどころが正解なの?
本来、複雑怪奇な人間の内面を映像化するとこうなるのかなーっと。
新興宗教「緑命会」の勉強会で行われる奇妙な振付けのダンスが、ラストカットの喪服の依子が情熱的に舞うフラメンコに取って変わる人間ドラマです。
筒井真理子さんは「淵に立つ」「夜明けまでバス停で」かな。
光石研さんは「セーラー服と機関銃」の高校生トリオから、「共喰い」かな。
この脚本の面白さは人間の内面を出来る限り可視化した結果のようです。
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