ワンコ

破局のワンコのレビュー・感想・評価

破局(1961年製作の映画)
3.8
【あの愛は何だったんだ…という心の叫び】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変わらない僕たちの社会を、皮肉や笑いを込めながらも、その中で生きる人間を優しい視点から描いた秀逸な作品だと思う。SNSで先鋭化した今だから観て面白い作品ではないかと思います。全国順次公開予定。》

やられたらやり返す。

人間の嫌なところと、その無意味さを笑って見せている。

この程度で済めば御の字だが、この映画を見た日、博多で刃物で刺され命を落とした女性への殺人容疑で男が逮捕されたというニュースが流れた。別れを告げられ、ストーカー行為の果ての殺害行為だった。

この映画の主人公ぐらい済ませられれば、もっと良い人間になれただろうに。

エテックスの時代より現代は怖い社会になってしまったのだろうか。

恋愛は、成就しないものがあるから尊いのだ。それを乗り越えようとするから、人を好きになるとは何なのか考える機会になるのだ。

恋愛は真剣でも軽やかでありたい。
ワンコ

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