ヒノモト

コペンハーゲンに山をのヒノモトのレビュー・感想・評価

コペンハーゲンに山を(2020年製作の映画)
2.9
デンマークの首都コペンハーゲンにある老朽化したゴミ処理施設建て替えのアイデアを募るコンペにて、優勝した建築家のゴミ焼却発電所の屋根にスキー場を併設し、都市のランドマークとしての施設を作るというプロジェクトを追ったドキュメンタリー映画です。

実際、近寄りがたい存在であるゴミ処理施設の上に、スキー場などのレジャー施設を作り、観光客を呼び込もうというコンセプトは崇高ですし、ゴミ処理時に発生した熱をエネルギーに変換したりという部分も合わせて、有効的な活用術だと関心しますが、ドキュメンタリー映画としては、平坦で起伏の少ない観光PR動画のような、観るだけの映画でした。

机上の空論のように、現実は上手くいかないところも描かれますが、そこにあまり時間をかけたくないのか、とてもあっさりとしていて、理想と現実、技術的な苦労など、多面的な視点で描かれるようでないと、完成した「コペンヒル」を見た時の驚きや、ありがたみも薄く感じてしまいました。

建築家本人の熱い思いのコメントシーンも多すぎるようにも思いましたし、外観や内部を映すのはいいですが、劇伴のクラシカルなBGMも合ってないように感じました。
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