ソラ

マイ・エレメントのソラのレビュー・感想・評価

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.3
ディズニー・ピクサーの最新作。
アメリカでも口コミによって興行収入が失速することなく伸び続けた珍しい作品。日本でも同様の現象が起こっている模様。このレビューが、少しでも寄与できればと思う。

「もしもの世界」を描かせたら右に出るものはいないことを強く思わされた。

構想から7年を要した本作は、火・水・風・土の4元素が暮らす世界を描く。
監督のピーターソーンは、韓国系の移民であり幼少期の彼自身の経験をもとに構成されている。ちなみに、『カールじいさん』に出てくるラッセルのモデル。エンドロールの最後に出てくる写真は彼の家族。

それぞれの元素の解像度が高く、化学的な変化をファンシーな世界観に落とし込む巧さが際立っていた。文化や思想の違う者同士の交流をテーマに繰り広げられるエンバーとウェイドのラブストーリー。ここまでの恋愛映画は最近のディズニーではあまり見ない。

セリフにも同様に各元素を入れ込むジョークが効いていて、快気だった。
玉森裕太と川口春奈の両名共、声優ではないため心配は多少あったが、名演技で全く気にならなかった。

本作は、アニメーションと音楽の融合が特筆すべきポイント。キャラクターのデザイン性は細部まで凝って創られており、エレメントシティは色鮮やか且つ近代的で壮観。
そこに、加わるトーマスニューマンの音楽。『ファインディング・ニモ』や『ウォーリー』、ディズニーから離れると『ショーシャンクの空に』等の名作を手掛けてきた彼の音楽がエレメント達との親和性が高く、より盛り上げる。

個人的にラブストーリーは好まないので評価は辛めだが、お盆の家族連れが多い劇場内では鼻を啜る音もちらほら聞こえた。ディズニーブランドの人気はやはり凄まじい。
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