かえるのエリー

怪物のかえるのエリーのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
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興味はあったが劇場スルーした案件。ベトナム行きの飛行機でやっていると事前に知っていたので、楽しみにしていた。私にとって是枝監督作はこれで3作目か。いつも“家族”をテーマにする監督と認識していたが、本作はその部分は薄く、思っていた話と全然違っていた。




以下ネタバレ感想




これも“羅生門形式”と呼ぶべきか。シングルマザーの(息子は担任に虐められてる?)の気付きから、担任の(歯車が狂っていく?)へと、あらゆる視点から物事を見ていくことで徐々に真実が明らかになっていく。

父親に豚の脳と言われる少年、そんな少年に淡い恋心を抱く少年。自分は普通じゃないのか? 多かれ少なかれそんな事を子供時代に感じる時ってあると思う。理性ではわからない感情を例えるなら、怪物。そんな複雑な感情を子役2人は繊細に見事に演じていたと思う。

嘘は吹き飛ばす・・・重い嘘をついた2人が管楽器を通して感情をぶつけるシーンが印象的。初めて校長の人間らしさを表したことも相まって。

ラストシーン、美しい草原をあの世と感じたのは私の考えすぎだろうか。もしそうであればなんと残酷な話だろう。君たちに未来がないなんてことはないのに。

小さい画面故、星の評価はナシで。